2013年

8月

17日

筒井洋一の「俺が訊く!」×日竎則彦 Vol.2

長らくお待たせしました。ついに第二回です。今回はひび則彦の高校生時代に迫ります!

筒井「今日はジャズに目覚めた高校生の頃の話しを訊きます。渡辺貞夫さんを聴いてジャズの楽しさに目覚めた、という話しを前回訊きました。とはいえ、高校生がコンサートやライブハウスにそんなに行けるはずも無く、CDなんかを通してジャズを知る、というパターンがほとんどだよね。ひび君が初めて買ったジャズのCDは何だったの?」


ひび「前回も話した通り、ジャズに目覚めたのは高校に入ってから。ただサックスを始めた時には先輩に薦められてダニエル・デファイエを聴いてた。だからどっちかっていうとジャズより先にクラシックのほうに興味があったんだよね。その後、渡辺貞夫さんを知ってジャズに興味を持って、ああ、こんな音楽があるんだ、よし僕もサックスのアルバムを買おうと思ってCDショップにいったんだけど、何買っていいかわかんなくて。それでジャケットにサックスを持っているヒトがいればいいんじゃないかと思って最初に買ったのがジョンコルトレーンの「マイフェイバリットシングス」。コルトレーンがソプラノサックスを持っているやつ。これがジャズかあ、よくわかんないけどカッコイイかも、みたいな。これが初めて自分で買ったジャズのCD」

 

筒井「おお、いきなりディープなジャズ。じゃあひび則彦のサックス人生はブルース・スプリングスティーンから始まってダニエル・デファイエ、渡辺貞夫、ジョン・コルトレーンと幅広いジャンルから影響を受けたわけだね」

 

ひび「うん、幅広いんだけど順番からいうと、ロックを聴いた後、ジャズのテイストを渡辺貞夫さんを通して知り、そしてクラシックの方にいったんだよね。高校三年間はずっとクラシックのサックスが中心」

 

 筒井「吹奏楽部にいたらクラシックサックスになるのは自然だよね」

 

ひび「うん。もちろんクラシックだけじゃなくてサックスアンサンブルとか吹奏楽にも馴染んでいるんだけど、高校時代に聴いたジャズのアルバムで思い出に残っているのは、たまたま静岡のCDショップに置いてあった29thストリート・サクソフォン・アンサンブル。

 

当時の僕はサックス四重奏にはまっていてダニエル・デファイエを始め色んなサックス四重奏のアルバムを買いあさっていたんだ。

 

この29thストリート・サクソフォン・アンサンブルはアメリカのジャズカルテットで、とっても衝撃を受けたんだよね。

 

将来こんなバンドをやりたいなあ、って思ったんだ。」


筒井「おお、まさにチャズケのコンセプトの原点」
 

 ひび「そうだね。やっぱりサックスアンサンブルが当時から好きだったんだね。でも本格的にジャズを演奏したいと思ったのは結構遅くて、大学からなんだよ。もちろんそれまでにウェザーリポートを聴いたり、ジャズフェスティバルにも遊びにいったりしていたんだけどね」

 

 筒井「ジャズはリスナーとしては高校の時に目覚めていたけどプレーヤーとしてジャズを指向したのは大学に入ってからなんだね。僕も経験があるけど、プレーヤーとしてジャズを指向しようにも何をどうすればいいのかさっぱりわからなかったよね。なんでこんな音がでるんだろうって不思議じゃなかった?」

 

 ひび「そうだね。渡辺貞夫さんのコンサートを沼津市民文化会館に見に行った時に、『なんだろう、これは?』って本当に思った。僕が普段吹奏楽で吹いているのと全く違うし、どう違うのかもわからなかったけど、何か凄いこと、ワクワクする何かがそこにはある、って確かに感じたんだ」

 

 筒井「ところで話しは戻るけど、高校を卒業して音大に進学したということは、将来サクソフォン奏者としてプロになろう、と決めたからかな?」

 

 ひび「うん、そうだね」

 

 筒井「いったいどのタイミングで決断したのかな?」

 

 ひび「実は結構早くて、サックスを最初に持った瞬間に『うわっ、こんなカッコイイ楽器はないな!』って思って。歌も歌いたいけどサックスでプロになろう!って決めたんだよね(笑)」

 

 筒井「もう吹ける吹けないに関係なく?」

 

 ひび「うん関係ない(笑)高校一年生の時に、もうこれでいこう!って」

 

 筒井「すげえな、それ(笑)」

 

 ひび「それでカッコイイと思ったから、サックスを家に持って帰って親に聴かせてたりしてた。でも家で吹いたらちゃんと音が鳴らなくてピーなんていったりして(笑)」

 

 筒井 「それを聴いたご両親の感想はどうだった?」

 

 ひび「僕の両親はそれまで生のサックスの音を聴いたことがなかったから『そのピーピーいってるのがサックスの音なのか?』って言ってた(笑)それでも僕は最初っからプロになろうと思ってたんだ」


どーですか皆さん!私(筒井)も驚くひび則彦衝撃の新事実!プロのサクソフォン奏者になることを決めたのは「サックスを最初に持った瞬間」!早っ!早すぎっ!将来のことなんだからもうちょっと考えようよ〜と私は思ったりしますがそれは大人の考え。若い頃は初期衝動に突き動かされて突拍子もないことを考えるのは当然のことです。大事なのはその初期衝動を大事に持ち続け、努力することであり、それをしたからこそ現在のひび則彦があるというわけですね。

さて次回は大学生以降のサックス人生に迫ります!

クラシックサックスを奏法のベースに持ちつつ、ジャズをやってみたい、という方、必読ですよ!

※文中に出たひび則彦に影響を与えたミュージシャンの作品から彼オススメの一枚を紹介します。

「愛の喜び〜魅惑のサクソフォーン」

 ダニエル・デファイエ

 

ダニエル・デファイエの録音物は現在入手困難なものばかりです。比較的入手しやすいのはこの一枚。高校時代にデファイエ・カルテットのレコードを聴いた時は「うわ〜!サックスってこんなにも官能的な音がするのか!」とびっくりしました。デファイエ・カルテットのバリトンサックス奏者ジャン・リュデューはブリルハートのトナリンというモデルのマウスピースを使っています。高校時代にバリトンサックスを吹いていた私は「あの白いマウスピースを使えばジャン・リュデューの音が出るに違いない」と思っておりました。そんなことは当然ないわけで、浅はかでしたね(筒井)

「マイ・ファイバリット・シングス」

 ジョン・コルトレーン

 

デファイエの後にコルトレーンのソプラノサックスを聴くとこれが同じ楽器なんだろうか?と思わずにはいられないほど音色が違います。サックスという楽器はそれだけ音色の幅が大きい楽器といえるでしょう。求道的な音楽にマッチしたコルトレーンのサックス。名盤です!ぜひ皆さん聴いて下さい(筒井)

「Milano New York Bridge」

29th Street Saxophone Quartet

 

アルトサックス奏者のボビー・ワトソンを中心とするジャズ・サクソフォン・カルテット。編成はアルト2本、テナー、バリトン。HIBI★Chazz-Kの原点、と文中では紹介していますが、編成、アレンジ・コンセプトもHIBI★Chazz-Kとは異なります。このアルバムではお馴染みのスタンダード・ナンバーを中心に演奏。自由度の高い素晴らしい演奏です!しかし皆イイ音してますね〜!(筒井)

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